連日35℃、いやそれ以上の酷暑が続く日本列島です。余りにも暑すぎて言葉が出ない、もう勘弁してよ! 弱音を吐いているおじおじです。
そんな7月なので、冬用タイヤであるスタッドレスとは無縁に思える季節です。しかしながら、実際には7月頃から日本のタイヤ市場では、スタッドレスに対する興味や注目度が徐々に高まり始めています。
7月は真夏で、普通ならスタッドレスのことなんて考えない季節に思えます。でも実は、この時期から関心がじわじわと高まって来ます。これは一部の熱心なユーザーだけの話ではなく、タイヤ業界全体、つまりメーカー、販売店、そして消費者の一部の間で毎年繰り返されている流れです。
スタッドレスは冬に使うものですが、買うのは秋から初冬にかけて。その為に、メーカーや販売店は、夏の内からその準備を始めます。とくに7月というのは、メーカーがその冬に発売する新しい製品を発表する時期なのです。
今シーズンの新製品を発表したり、性能がどう進化したかを紹介したりするのがちょうどこのタイミングです。それに合わせて、販売店も商品知識を仕入れ、パンフレットを用意したり、在庫の計画を立てたりして冬の商戦に備え始めます。
また、雪が早く降り始める北海道や東北などの地域では、夏の内から今年のスタッドレスは何を選ぼうか、と考え始める人も珍しくありません。
特にタクシーや運送会社など、仕事でクルマを使う人たちは、スタッドレスを早く手配しておかないといざという時に間に合わなくなるので、7月にはもう次の冬を見据えて動いているかと。
最近は早期予約割引や早期装着キャンペーンなどを実施する店も増えていて、少しでもお得に買いたいという人が夏から情報を集め始めています。去年の冬にスタッドレスが品薄になったとか、急に寒くなって間に合わなかったという経験をした人は、今年こそ早めに準備しようと思って、7月くらいからネットで調べ始めたりもします。
加えて、スタッドレスは年々進化していて、新しいモデルがどんな性能になったのかが気になる人もいます。氷上性能、雪路性能、寿命、静粛性など、チェックするポイントはたくさんあります。
メーカーが出す情報も以前より分かり易く、性能を比較し易くなっているので、クルマ好きの人だけでなく一般のドライバーにも関心が広がってきています。
つまり、7月にスタッドレスの話題が増えるのは、冬に向けたスタートの合図みたいなもので、業界としてはすでに冬の準備が始まっている訳です。気温は高くても、タイヤの世界ではもうすでに冬の空気が流れ始めている、そんな何とも不思議なタイミングです。