メーカーがスタッドレスタイヤの新製品を発表し、出荷するのはおおむね8月~9月です。つまり、この時期から新モデルが市場に出回り始め、旧モデルが値下がりするタイミングでもあります。
ショップでは在庫を入れ替えるため、旧モデルをセール価格で放出することが多く、性能差が小さい場合は非常にお買い得です。入れ替え期は、価格や選択肢、鮮度のすべてが揃う理想的な時期です。
一方、11月中旬になると、各地で初雪の便りが届き始め、需要が一気に高まります。この時期ショップ等では繁忙期に入っており、人気サイズから在庫が減少し、値段も上がり始めます。特に定番サイズはすぐ売り切れることが珍しくありません。更に装着予約も混み合う為、購入しても直ぐに取り付け出来ないケースが増えます。
12月以降になると、既に選べない、高い、待たされるの三重苦に陥る可能性が高くなります。
もし価格重視で狙うなら、もう一つの穴場は3月~4月のオフシーズンです。この時期、冬タイヤの販売終了セールが行われ、残り在庫が大幅割引されることがあります。但し、サイズや銘柄の選択肢が限られ、製造年月が古いタイヤが多い為に慎重な見極めが必要です。保管場所に余裕がある人は狙い目ですが‥
総合的に考えると、購入と交換を同時に行うのがベストタイミングです。なので、10月中旬~11月上旬がそのタイミングになるかと。
9月は確かに価格が安く選択肢も豊富ですが、まだ気温が高く、装着してもゴムが柔らかすぎて摩耗が早く進むリスクがあります。スタッドレスタイヤは低温での柔軟性を重視したゴム配合になっており、気温が15℃を超えるような環境で走行を続けると、サマータイヤよりも早く摩耗してしまいます。その為に、9月に購入しても交換は少し待つのが理想です。
11月中旬以降になると急に装着予約が殺到します。特に全国的に初雪や寒波のニュースが出始める時期は、ピット作業が混み合い、数日~1週間待ちになるケースが珍しくありません。
予約無しでは当日作業が出来ないことも多く、またタイヤサイズによっては在庫切れや納期遅れが発生します。従って、混雑前の10月中旬~11月上旬に購入と交換を一緒に済ませておくのが、最も現実的で賢い選択です。
この時期は、朝晩の気温が10℃を下回る地域も増え始め、ゴムが適度に締まり、慣らし走行をしても摩耗が抑えられます。スタッドレスタイヤは本来の性能を発揮するまでに100km~200kmほどの慣らしが必要なので、早めに交換しておくことで、雪が降る頃にはグリップ性能が安定しています。
また、購入と同時に交換を依頼すれば、ショップでのセット割や取付工賃無料キャンペーンなどが適用されることもあり、経済的にもメリットがあります。多くの店舗は10月に集客キャンペーンを展開する為に、値段も比較的安定しており、同時作業に最も適した時期です。
注意点として、同時に行う場合はホイール付きのセットを検討すると、交換時間が短く、作業費も抑えられます。特にアルミホイール付きスタッドレスを1セット持っておくと、次シーズン以降は自分で交換することも可能になり、毎年の出費を減らすことが可能です。