スタッドレス等冬製品のキックオフとなる10月に入りました!

 10月は、タイヤ市場にとってまさに冬商戦のスタートラインに位置付けられる月です。実際の気候としてはまだ夏の暑さを残しており気温も高め。しかしながら、ユーザー心理としてはそろそろ冬支度を意識するタイミングになります。

 北日本や山間部では11月から本格的に積雪や凍結が始まります。物流的にも需要が集中する前に在庫を流通させておくこと、そして販売店側が早期予約割引などを打ち出すことで、ユーザーに冬タイヤへの履き替えを意識させる狙いがあります。

 また、最近はスタッドレスだけでなくオールシーズンも冬製品の一角に組み込まれるようになってきました。特に都市部のユーザーにとって、突然の雪への備えとしてオールシーズンが提案され、スタッドレスとの住み分けをどう打ち出すかが各社の課題になっています。

 日本のオールシーズン市場は2019年シーズンから様変わりしました。それまでは主に海外ブランドが展開していた領域でしたが、国内メーカーが本格参入し、一気にラインアップが拡充されました。

 その結果、冬用タイヤ=スタッドレスという図式の横にオールシーズンという新しい選択肢が加わり、ユーザーのライフスタイルや地域性に応じて、より柔軟にタイヤを選べる時代へと変化しています。

 一方で、アジアンタイヤの動きも見逃せません。絶対性能では欧州や国内メジャーに劣る面があります。でも、世代ごとの進化は著しく、最新モデルでは確実に存在感を高めています。

 NANKANG「AW-1」はその好例で、新コンパウンドの採用によって、氷雪性能を維持しつつドライ性能を大幅に強調しています。特に耐摩耗性や省燃費性の向上は、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって大きな魅力であり、性能劣化が進み難いという開発コンセプトは、日常使用での安心感を提供します。

 こうした流れから、今シーズンの市場は三本柱として整理出来ます。すなわち、絶対的な安心を提供するスタッドレス、利便性と幅広い対応力を誇るオールシーズン、そしてコストや非常時対策を補完するチェーン。それぞれが棲み分けながらも、全体で非降雪地域から豪雪地域までをフルカバーする体制が整ったという点が大きな特徴です。

 2025年の冬市場は、新たな局面を迎える入り口に立ったと言えるかも。冬商戦の行方を占う意味でも、この時期の動きが11月以降の市場全体を左右する鍵となります。

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