真夏にタイヤの空気圧管理はどうすればいい?

 真夏にタイヤの空気圧は、気温の変化によって大きく影響を受ける為に、注意深く管理する必要があります。

 暑い時期になると、気温の上昇によってタイヤ内部の空気が膨張し、空気圧が自然に高くなります。これは理想的な空気圧よりも高くなり過ぎることがある一方で、実は初期の空気圧設定が低過ぎると逆に危険を招くというやや複雑な問題をはらんでいます。

 まず大前提として、タイヤの空気圧は冷間時(車をしばらく動かしていない状態)で測定し、クルマメーカーが指定した数値に合わせるのが基本です。これは運転席のドア後ろ側下か、センターピラーの下やクルマの取説(オーナーズマニュアル)に記載されています。

 但し、真夏の炎天下では朝でも既に路面温度が高く、少し走っただけでタイヤの内部温度は急激に上昇し始めます。すると、たとえ冷間時に適正値だったとしても、実走行中にはそれより30kPa~50kPaほど高くなることが多いかと。この温間時の空気圧上昇は正常な範囲内ですが、問題は最初から低めに空気圧を設定していた場合です。

 もし空気圧が不足している状態で真夏の路面を走行すると、タイヤの接地面が広がりすぎてしまい、発熱量が大きくなります。これにより内部の温度が更に上がり、最悪の場合バーストに繋がる可能性もあります。

 また、燃費の悪化、偏摩耗、ハンドリング性能の低下といった問題も発生し易くなります。その為に、真夏はむしろ指定空気圧よりやや高めに設定することが安全につながる場合もあります。

 具体的には、車両指定が220kPaであれば、230~240kPa程度に調整しておくと安心です。ただし極端に上げ過ぎると今度は乗り心地が悪化し、センター摩耗を招く為に、あくまで微調整の範囲内に留めるべきです。

 空気圧のチェックは最低でも月に1回、真夏は2週間に1回が理想です。特に高速道路を長時間走行する前には、必ず冷間時に空気圧を点検しましょう。

 ガソリンスタンドの機器を使う場合、真夏の昼間に測定すると温間状態になっていることが多く、正しい判断ができません。朝一番の涼しい時間帯に測ることが、もっとも信頼できる結果になるかと。

 更に補足すると、タイヤはゴム製品であり、真夏の高温下では経年劣化が進みやすくなります。空気圧だけでなく、サイドウォールのひび割れやトレッド面の異常摩耗、タイヤの年数なども併せて点検することが重要です。

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