タイヤチェーンが外れる原因とは?よくあるトラブルと対策

 タイヤチェーンにおけるトラブルの原因は1つではなく、装着方法、車両側の条件、走行状況、タイヤチェーンそのものの特性が複雑に絡み合って起こることが多いかと。

 最も多い原因として挙げられるのが装着不良です。見た目では装着出来ているように見えても、IN側のフックが正しい位置に掛かっていなかったり、左右のバランスがずれていたりすると、走行中に遠心力や路面からの衝撃を受けて少しずつ位置がずれ、最終的に外れてしまいます。

 特に寒さや雪の中で急いで取り付けた場合、確認が不十分になりやすく、これがトラブルの引き金になることが少なくありません。

 次に多いのが、チェーンのサイズがタイヤに合っていないケースです。購入前に必ず車種別・タイヤ銘柄別の適合情報を確認し、しかも事前に乾いた路面で試装着して、締め付け具合や余り具合を確認しておくことが重要です。

 走行環境もトラブルの大きな要因になります。雪道専用の装備であるチェーンを、アスファルトが露出した路面や高速道路で長時間走行すると、チェーンに強い衝撃と振動が加わり、ロック部分が緩んだり、金属やゴムが変形したりします。その結果、徐々にフィット感が失われ外れてしまう場合があります。

 雪が薄い区間では出来るだけ速度を落とし、必要のない場所では速やかにチェーンを外すという使い方が、トラブル防止には欠かせません。

 また、走行中の操作も無視出来ないポイントです。急発進や急加速、急ハンドル、急ブレーキを繰り返すと、チェーンには想像以上の負荷がかかります。特にカーブで強くハンドルを切った際、OUT側のチェーンに偏った力が加わり外れやすくなります。雪道では穏やかな操作を心がけ、一定速度で滑らかに走ることが、チェーンを長持ちさせるだけでなく安全運転にも直結します。

 チェーン自体の劣化や損傷も見逃せません。何シーズンも使用しているチェーンは、金属の摩耗や樹脂部分の硬化、ゴムバンドの伸びなどが進行しています。見た目には問題なさそうでも、実際には保持力が低下しており、ちょっとした衝撃で外れてしまうことがあります。

 使用前には必ず全体を確認し、変形やヒビ、極端な伸びがある場合は使用を控える判断も必要です。

 これらのトラブルを防ぐためには、装着後の再確認が非常に効果的です。取り付けてすぐに走り出すのではなく、数10m走行した後に一度停車し、緩みやズレがないかを確認するだけで、外れのリスクは大きく下がります。

 更に、チェーンの種類ごとの特性を理解し、金属チェーンなのか、非金属チェーンなのか、あるいは布製タイヤカバーなのかによって、適切な使い方や注意点を意識することも重要です。

 チェーンが外れるトラブルは、単なる不運ではなく多くの場合は事前の準備や使い方で防げることが多いのです。正しいサイズ選び、丁寧な装着、走行環境に応じた使い分け、そしてこまめな確認を習慣にすることで、冬道での不安や危険を大きく減らすことが出来ます。

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