スタッドレスタイヤの盗難が全国的に増えており、その被害は特に冬の到来前に集中しています。被害の多くは自宅敷地内や駐車場で発生しており、暗い夜間の時間帯に人目のつかない場所を狙われること多いのが特徴です。
盗難の背景としては、近年のタイヤ価格の高騰やアルミホイールの需要増加、そして中古市場での転売などが挙げられます。特にスタッドレスタイヤは季節製品であり、需要が高まる冬前に盗まれる傾向にあります。
盗難を防ぐ為には、頑丈なチェーンロックやワイヤーロックで複数本をまとめ、動かせないように固定することが有効です。固定されているタイヤを運び出すには非常に手間が掛かる為に、盗難防止に大きな効果を発揮します。
保管環境も対策の大きな要素です。屋外にタイヤを置く場合、道路や通行人から見える場所に置かないようにし、視線を遮る塀や物置、カバーなどを利用して隠す工夫が求められます。
理想的なのはシャッター付きのガレージや物置の中に保管する方法であり、侵入の手間が増えることで犯人が狙いを避ける傾向があります。夜間にはセンサーライトを設置し、動きを感知すると自動的に点灯するようにすると、暗闇での犯行防止の可能性が高まります。
更に防犯カメラを設置して録画を行い、映像を外部メディアやクラウドに保存しておくと、万が一の際の証拠としても役立ちます。最近ではスマートフォンと連動してリアルタイムで映像を確認できる防犯カメラもあり、比較的安価に導入出来るものも多くなっています。
管理面での工夫も欠かせません。タイヤを使用しない季節は屋内に移動させ、長期間外に置かないようにします。タイヤ保管用のカバーをかけ、メーカー名やサイズが見えないようにしておくと、犯人が高価なブランドやサイズを判別出来なくなり狙われ難くなります。
こうした対策を組み合わせることで、タイヤ盗難のリスクを大幅に減らすことが出来ます。要は、犯人に時間が掛かる、手間が多い、見られるリスクが高いと思わせることが最も重要であり、それが心理的な抑止に繋がります。
スタッドレスタイヤは高価な資産であり、冬の安全走行に欠かせないものだからこそ、事前に十分な防犯対策を講じることが、最も確実で現実的な防衛手段と言えるでしょう。