海外メジャーの一角であるミシュラン(フランス)の日本法人・日本ミシュランが本社を群馬県太田市に移転したという。2023年8月1日に登記を完了、旧本社である東京都新宿区のオフィスは縮小。今後は産官学連携を図りながら更なる価値創造を進めていくそうな。
日本ミシュランは、2010年太田工場におけるタイヤ生産を終了。ここはミシュランとして日本国内唯一の生産工場でもありました。しかし、世界のミシュラン他工場に比べ生産コストは2倍近くに高止まり。2008年に始まった経済危機により状況はさらに困難なものに‥
当時クルマ市場の低迷でタイヤ販売が落ち込んでいることに加え、同工場の生産コストがグループの他工場と比べて高かった。グループ68工場平均の2倍近くに高止まり、これが閉鎖の理由です。
太田工場閉鎖後の従業員約380人の処遇は、研究開発やコールセンター部門への異動、太田市以外の営業所拠点への異動を検討する、というのが当時のリリースとして残っています。
工場閉鎖後も残る開発拠点R&Dセンター、太田サイトは同じ2010年に研究開発会社のミシュランリサーチアジアを取り込み、材料実験室と試作タイヤの生産ラインを新たに設置するなどハード面を強化。
ただ実際のところ太田工場の生産ラインを改修し役割維持を主張、多少なりとも批判を薄めるのが狙いだったのではと憶測も‥
今回の移転はこの太田サイトを活用します。環境の観点から既存建物をそのまま活かし、社員の創造と革新の場となるコラボレーションスペースを創設するという。本社移転で東京都新宿のオフィスは縮小、人員は約150人から約50人程度になるよう。太田サイトには新たなコラボレーション棟を来年4月までに建設する予定だとか。
ミシュランは世界175カ国でビジネス展開する中で、フランス、アメリカとともに日本の太田市を三大開発拠点の一つに位置付けています。